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On the Day Project 1st March / RUNIT dome

On the Day Project 1st March / RUNIT dome
a view of RUNIT Dome

2006/10/29

No.2 二つの円と、その日の話:ルニットドーム


マーシャル諸島の北西エニウェトク環礁にあるルニット島の北部には、島の明るいグレーと珊瑚の海に濃いブルーの色違いサングラスのように二つの円が並んでいる!。
ここはアメリカの核実験場だった。この二つは核実験の爆心:GroundZEROに出来た穴:クレーターだ。

ブルーの円は1956年5月4日のLacrosse実験(40kt)で出来たクレーターで、珊瑚礁を吹き飛ばした爆心の穴は深く、周囲の浅い珊瑚礁の海と比べて深い青色をしている。
グレーの円は1958年5月5日のCactus実験(18kt)の結果出来た深さ9mのクレータだったが、核実験が終り島民が帰るために、核実験で汚染した島の土や核のゴミを集めて穴に捨て、厚さ45cmのコンクリートで覆って出来た直径110m、高さ7.5mのコンクリートドームだ。(GoogleEarthより)
完成は1979年9月6日、なぜこのようなドームが・・・?。


遡る1968年、アメリカは隣の核実験場:ビキニ環礁の安全宣言をし、住民の一部が島に戻った。しかし残留放射能のための被曝が明らかになり、1978年8月31日再び島を追われるという事件があった。そして現在もビキニには島民は戻れない。
もう一つの核実験場エニウェトク環礁はルニット島のCactusクレーターにこの核のゴミを集めたドームが造られ。これによって強制移住させられていた住民は戻ることが出来たが、この工事に関わった人の被曝も報告されている。そしてこの核のゴミ捨て場の島RUNITは、今も立ち入り禁止だ。(工事中のルニットドーム)


2004年3月1日、核の時代の象徴的なこのコンクリートドームの表面を、中ハシ克シゲは夜明けから日没までの12時間を7秒毎に5000枚の写真に撮った。 それは、ビキニ環礁で行われた史上最大の水爆実験:ブラボー(15Mt)が炸裂し、隣のロンゲラップ環礁の住民、そして日本のマグロ漁船第五福竜丸が被曝した日:1954年3月1日から50年目のその日:On the Dayだった。

5000枚のコンクリートドーム表面を写したOn the Day写真は2004年8月、保存されている第五福竜丸の横で繋がれ展示され、そして2006年9月京都でも多くのボランティアの手により再び繋がれ、この時代、その歴史が共通の場で捉えられた。

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Photo and Text by nnogci